RF Analyzer
RF Analyzer の紹介
● JA2NKD 松浦さん が発表された Arduino を使用した RF Analyzer に興味を
持ち、組立てに挑戦していましたがようやく完成しました。
●操作方法などの詳細は、上記松浦さんのブログを御覧ください。
●この Analyzer には、先日紹介した SOL506-1 と SOL507-1 基板を使用した
ユニットを使っています。
Spec
■RF Analyzer
・使用したケースは、 YM-100 ですが、もう一回り大きいほうが苦労せずに済んだようです。
・ウサギ小屋と呼ばれている小さい家に住んでいるので、小形の物が好きになったのかも知れません。
・006P乾電池は大きさの比較のためで、これで動作させる訳ではありません。
・でもアルカリ型の006Pを使えば、1時間程度は使用できるかもですが
内蔵するスペースも無いので外部電源で使用することにしました。
・パネル面の止めネジは、丸皿ネジを使用したいところですが近くのホームセンターには
皿ネジしか売っていません。
・もっとも、1mm厚のパネルにM3の皿モミは無理を承知で・・・・・。
■回路図
・基本的には、JA2NKD OM の回路を踏襲しています。
・変更した部分は、回路図右下のSGの出力レベルを一定に保つALC回路です。
・SGの出力レベルは、10kΩの半固定抵抗で設定します。
・また、以前作ってあった [Arduino DDS VFO基板] をマザーボード的に使用したので
そのスイッチの結線に合わせ、Sketch のポート指定を変更しました。
・残念ながら私はソフト設計が出来ませんが、何とか Sketch のポート指定の変更や
描画角度の変更はできます。
・消費電流は、約210mAです。
■内部-1
・カバーを外した内部の写真です。
・マザーボード的な基板に、SOL506-1基板、Arduino nano基板と背面には 2.2inch LCDが
載っています。
・LPF と ALC回路は不要基板を流用し、かなりアクロバチックな小基板になっています。
■内部-2
・SOL506-1基板、Arduino nano基板を取外した写真です。
・各ユニット用のソケットはロープロファイル型のソケットを使用し、ユニット側の
ピン端子もそれに合わせ切断してあり、全体の高さは25mm程度に収まっています。
・SOL507-1基板には、AD8307の出力が Arduinoの A/Dコンの基準電圧である
2.5V以下に収まるよう RV1の箇所に固定抵抗 100kΩを付けました。
■内部-3
・今となっては貴重品の 2.2inch LCD側の写真です。
・パネル側の左右に見える引っかき傷は、アルマイト処理の非導通性に対抗する為の
カッターナイフによる悪あがき傷です。
(カバー側も同一箇所に引っかき傷を入れ、接触するようにしてあります)
・高周波物のシルードを必要とするケースの表面処理に、非導通のアルマイト処理は
難物です。
■内部-4
・このマザーボード的な基板は、2.2inch,1.8inch,1.44inch LCDのいづれでも
共用できるように設計しましたが2.2inch LCDは現在入手が困難になったようです。
・流用した基板なので、かなり配線の見栄えが悪いです。
・基板の右上の切欠きは、ケースの止めネジとの干渉を逃げるためです。
・この RF Analyzer 専用の ザーボード的基板を新たに作れば、LPF回路を含めた
ALC回路も組立易いものになってスッキリしますが、LCDの入手性などにより
考えどころです。
■LPF
・DDS(SOL506-1)の出力に入れたLPFの特性です。
・7段のチェビシェフフィルタの 0.1dBリプル, カットオフ周波数 60MHzで
定数を決めましたが特性はこんなもんでしょうか?
・フィルタの設計でお世話になっているのは、 ここ と ここ です。
■SGのスプリアス
・SOL506-1基板(DDS-AD9850)の出力にLPFが入ったスプリアス特性です。
・50MHzでは、75MHz の折返し周波数が -34dBc 程で VSWR の測定にも
ほぼ影響を与えないと思います。(55MHzでは -27dBc になります)
■SGの出力とALC
・左側は、上の輝線がALCのかかっていない状態の出力特性で、LPFによる
リプルが見えます。
・左側下の輝線は ALCが動作状態の特性で、ほぼフラットな出力にコントロール
されています。
・右側はスペアナで 1~55MHz を測定した出力特性で、縦軸は1目盛 1dB なので
±0.2dB 程度の偏差に収まっています。
(スペアナの周波数特性も有るので何を測っているのやら・・・・・)
■Flower Noise
・RF Analyzer の Flower Noise です。
・左側は、Frequency Responce モードで入力がオープン状態での Flower Noise です。
・右側は、Power meter モードで入力がオープン状態での Flower Noise です。
・いずれのモードでも -78dBm 前後の Flower Noise に収まったようです。
■RF INPUT の Level Error
・AD8307を使用した Detctor の Level Error で、RF INPUT へ加えた値に対する
表示値の偏差を表したグラフです。(SGの出力が正しいとして)
・-70dBm まで ±0.3db程度の偏差に収まっているようです。
・-70dBm を超えると急激に大きな偏差となります。
■SGのC/N
・左側は、SOL506-1基板(DDS-AD9850) を使用した SG部の RF出力の C/Nです。
・比較のために測った、唯一手持ちの SSG HP 8648C の C/N特性です。
(AD9850に比べ、悪くて少しガッカリ・・・・・)
■Xtalとフィルタの測定
・上側は Xtal を測定中の写真で、ICソケットを加工して使った簡単な測定冶具を
使用しています。
・変換コネクタは、かなり年期物の黒ずんだ物ですが問題なく使えるようです。
・左下は、HC-49U/S 7.500MHz の Xtal を測定した例です。
・ピークとヌルポイントをソフトで測定してくれるので便利です。
・右下は、MURATAのセラミックフィルタ SFE10.7MA を抵抗マッチングで接続し
測定したものです。
・フィルタの終端インピーダンスは330Ωなのですが手持ちに300Ωの抵抗しか無く
20Ω程ミスマッチで、尚且つ抵抗マッチングのためのロスが20dB以上ありますが
うまく測れているようです。
●VSWR測定用のブリッジも最作中で、完成したら追記したいと思います。
■ご注意
・この基板はsoltec41が個人的な興味で作ったものであり、使用の結果を保証
するものではありません。
・RF回路なので使用部品や組立て方で性能が出ない場合があるかも知れません。
・この基板を使った事により不具合が発生しても自己責任として解決願います。
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by soltec41 | 2017-05-18 11:30 | RF基板 | Comments(3)